基本知識と用途別おすすめ

マザーボードはPCの全てのパーツを接続し、動作を統括する重要な部品です。この記事では、初心者でも分かりやすく、マザーボード上のパーツの役割や性能の見極め方、用途別に必要な性能、そしておすすめのマザーボードを紹介します。この記事を読むことで、自分に最適なマザーボードを選ぶ知識が身に付きます。
Contents
- 1 (1)ソケット
- 2 (2)メモリスロット(DIMMスロット)
- 3 (3)チップセット
- 4 (4)PCIeスロット
- 5 (5)ストレージスロット
- 6 (6)VRM(電圧レギュレーター)
- 7 (7)I / Oポート
- 8 (1)Intelのチップセット
- 9 (2)AMDのチップセット
- 10 (1)ハイエンドCPUを使用する場合
- 11 (2)オーバークロックを行う場合
- 12 (3)複数のGPUや拡張カードを使用する場合
- 13 (4)高速ストレージを多く使用する場合
- 14 (5)高度なI / Oポートが必要な場合
- 15 (1)Intel12~14世代(LGA1700)
- 16 (2)AMD Ryzen 7000~9000シリーズ(AM5)
- 17 1.CPUソケットの互換性を確認する
- 18 2.ケースのサイズに注意する
- 19 3.将来の拡張性を考慮する
- 20 次に読むべき記事
1.マザーボードとは?
マザーボードは、CPU、メモリ、ストレージ、拡張カード(GPUやサウンドカードなど)を接続し、それらの間でデータをやり取りするための基盤です。
なぜマザーボードが重要なのか?
- 互換性:CPUやメモリ、ストレージなどの選択肢に影響を与える。
- 拡張性:将来のアップグレードに対応できるかどうかを左右する。
- 安定性と耐久性:システム全体の動作に直結する。
2.マザーボードのパーツとその役割
マザーボードには多くのパーツが搭載されていますが、主要な部分とその役割を以下に説明します。
(1)ソケット
- 役割:CPUを取り付けるためのパーツ。
- ポイント:CPUの互換性に直結。例えば、Intel-LGA1700、AMD-AM5など。
(2)メモリスロット(DIMMスロット)
- 役割:メインメモリ(RAM)を取り付ける箇所。
- ポイント:
- 最大搭載容量(例:64GB、128GB)
- メモリの対応規格(例:DDR4、DDR5)
(3)チップセット
- 役割:マザーボード全体の機能を統括するコントローラー。
- ポイント:
- チップセットによって、対応する機能や拡張性が異なる。
- 例:Intel Z790(オーバークロック対応)、AMD B650(コスパ重視)。
(4)PCIeスロット
- 役割:GPUや拡張カードを取り付けるスロット。
- ポイント:
- 規格(例:PCIe 4.0、PCIe 5.0)
- スロット数やレーン数(例:PCIe 5.0 x16)
(5)ストレージスロット
- 役割:SSDやHDDを接続するための箇所
- ポイント:
- M.2スロットの有無と対応規格(例:PCIe 4.0対応)
- SATAポートの数
(6)VRM(電圧レギュレーター)
- 役割:CPUやメモリに適切な電圧を供給
- ポイント:
- フェーズ数が多いほど、電力供給が安定しやすい
- 高性能なCPUほど品質の良いVRMが必要
- CPU+メモリ+チップセットの形でそれぞれに対応した個数をよく表される
(7)I / Oポート
- 役割:外部デバイスを接続するための端子
- ポイント:
- USBポートの数と種類(例:USB 3.2、 USB-C)
- HDMIやDisplayPortの有無
- LANポートの規格
3.IntelとAMDの対応マザーボードの違い
マザーボードのチップセットは、CPUのメーカー(IntelまたはAMD)ごとに異なるモデルが存在します。それぞれの違いを簡単にまとめます。
(1)Intelのチップセット
Hシリーズ(例:H610、H670)
- エントリーモデルで、基本的な機能のみ提供。
- オーバークロック非対応。
- オフィス用途や一般用途に最適。
Bシリーズ(例:B660、B760)
- コスパ重視のミドルレンジモデル
- オーバークロック非対応だが、十分な拡張性を提供。
Zシリーズ(例:Z690、Z790)
- ハイエンド向け。オーバークロック対応。
- 拡張性やI / Oポートが豊富で、ゲーマーやクリエイター向け。
(2)AMDのチップセット
Aシリーズ(例:A520、A620)
- エントリーレベル。基本的な機能のみ。
- オーバークロック非対応。
- 一般用途やライトユーザー向け。
Bシリーズ(例:B550、B650)
- コスパが良く、一般用途からミドルレンジゲーミングに最適。
- 一部モデルでオーバークロック対応。
Xシリーズ(例:X670、X870E)
- ハイエンドモデル。拡張性とパフォーマンスが最大。
- オーバークロック対応、複数のGPUや高速ストレージを活用可能
4.性能が高いマザーボードが必要な条件
高性能なマザーボードがあるということが分かったかと思いますが、そんな高性能なものが必要になるのはどういう場合なのか?自分には必要なのか?ということが気になるかと思います。
ここでは高性能なマザーボードが必要となる例を紹介します。
(1)ハイエンドCPUを使用する場合
高性能CPU(例:Core i9、Ryzen 9)は電力供給が多く必要なため、優れたVRMを持つマザーボードが必要となります。
(2)オーバークロックを行う場合
CPUやメモリのオーバークロックには、対応したチップセットと高品質なVRMが必要です。
Intel―Zシリーズチップセット
AMD—Xシリーズチップセット、一部のBシリーズチップセット
(3)複数のGPUや拡張カードを使用する場合
マルチGPU(例:NVIDIA SLI、AMD CrossFire)や多数の拡張カードを使用する場合、PCIeスロットの数とレーン数が重要です。
(4)高速ストレージを多く使用する場合
PCIe 4.0 / 5.0対応のM.2スロットが複数必要な場合、高性能なマザーボードが適しています。
(5)高度なI / Oポートが必要な場合
USBポートやThunderbolt、Wi-Fi 7などの最新機能を求める場合や、将来的な拡張性を求める場合。
※今は最新でも、時間が経つとグレードが下のものにも機能が追加されていったりします。例:Wi-Fi 6Eならミドルレンジのマザーボードが多く対応しています。

5.CPUと予算別のおすすめマザーボード
今現在(2025年1月)でているCPUの中で比較的人気なIntel12~14世代(ソケット形状:LGA1700)、Ryzen7000~9000(ソケット形状:AM5)シリーズを対象に価格帯別でのおすすめを並べていきます。
(1)Intel12~14世代(LGA1700)
エントリー(1~1.5万円)
ASUS PRIME B760-PLUS
低価格ながらM.2スロットを3基持っており、またPCIe x16も5.0に対応している。拡張性も持っている高コスパのマザーボード。

ミドルレンジ(1.5~3万円)
GIGABYTE Z790 UD [rev.1.0]
この価格帯にしてハイエンドと同等レベルの電力供給が可能な16+1+1のVRM設計となっている。また、M.2スロットも3基備えていて、I / Oポートもそこそこ性能が良く十分な拡張性を持っている。

ハイエンド(3万円以上)
MSI MPG Z790 CARBON WIFI
高性能なUSBポートを数多く備えており、M.2スロットも5基備え圧倒的な拡張性を持っている。また、M.2やVRM(19+1+1)周りに大きなヒートシンクを使っており、長時間の安定した稼働に耐えられる製品。

(2)AMD Ryzen 7000~9000シリーズ(AM5)
エントリー(1~1.5万円)
MSI B650M GAMING PLUS WIFI
低価格ながらフェーズ数10+2+1の安定性を持ち、2基のM.2スロットや最新には少し劣るが十分な性能のI / Oポートがある。全体的にこの価格帯の他の製品より一回り性能が高くなっているため、コスパはかなりいい製品。

ミドルレンジ(1.5~3万円)
ASRock B650 Steel Legend WiFi
PCIe 5.0対応のx16スロットをメインに備えており、GPUのスペックを最大限生かすことができる。M.2もPCIe 5.0で将来的な拡張性にも対応している。VRM(14+2+1)の冷却性も十分に備えており、ハイスペックの長時間稼働にも耐えられる性能がある。

ハイエンド(3万円以上)
GIGABYTE X870 AORUS ELITE WIFI7
Ryzen9000シリーズ対応のハイエンドマザーボード。PCIe 5.0のM.2スロットが3基もあり利用が可能となっている。また、VRM(16+2+2)設計により、CPUだけでなくメモリやチップセットの安定性も保証できる。Wi-Fi7や40GbpsのUSBポートなどの最新機能も搭載している。

6.マザーボード選びの注意点
1.CPUソケットの互換性を確認する
CPUとソケット形状が一致している必要があります。また、ソケット形状が一致していても少し古いマザーボードと新しいCPUの組み合わせの場合、BIOS1 のアップデートが必要な場合があります。購入時は製品仕様をしっかりと確認しましょう。
- 電源をいれた直後に起動し、ハードウェアの初期化や設定などをおこなうファームウェア ↩︎
2.ケースのサイズに注意する
ATX、Micro-ATX、Mini-ITXなど、ケースに収まるフォームファクタを選ぶ。ケースはグラボやCPUファンなどの大きさにも影響するため、心配な場合は先にケースを購入して寸法等を確認しておくというのもあり。
3.将来の拡張性を考慮する
M.2スロットやPCIeスロットの数を事前に確認しておく。目的が動画編集などの容量を多く使うようなものの場合、多くのM.2スロットがあるマザーボードを選ぶなど。
ただし、予算のことも考えなければなりません。高性能なモデルを選ぶ必要がない場合は、コスパ重視で選んだ方が正解に近いです。
7.まとめ
マザーボード選びは、PCのパフォーマンスや拡張性を大きく左右します。この記事で紹介した基礎知識をもとに、自分の用途や予算に合ったマザーボードを見つけましょう。
次に読むべき記事
- CPUの選び方
- 電源ユニットの重要性
- 予算別おすすめPC構成例
マザーボード選びをぜひ楽しんでください!