【いまさら聞けない】Ryzen 7800X3Dがゲームに強いのはなぜ?L3キャッシュとCPU性能の関係をやさしく解説!

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はじめに:Ryzen 7 7800X3Dが「ゲーミング最強」と言われる理由とは?

自作PC界隈やレビュー記事で「Ryzen 7 7800X3Dはゲーム性能が高い」とよく耳にしませんか?
でも、同じ8コアのRyzen 7 7700Xと比べてクロックは控えめなのに、なぜゲームで優れているのでしょうか?

その理由は、「L3キャッシュの容量」にあります。

この記事では、L2・L3キャッシュとは何か、そしてなぜそれがゲーム性能に関わるのかを初心者にもわかるように丁寧に解説していきます。


Ryzen 7 7800X3D vs 7700X:スペックで見てみよう

まずは、ゲーム性能で注目される2つのCPUのスペックを比較してみましょう。

項目Ryzen 7 7800X3DRyzen 7 7700X
アーキテクチャZen 4(Raphael)Zen 4(Raphael)
製造プロセスTSMC 5nmTSMC 5nm
コア / スレッド数8コア / 16スレッド8コア / 16スレッド
ベースクロック4.2 GHz4.5 GHz
最大ブーストクロック5.0 GHz5.4 GHz
L2キャッシュ8 MB8 MB
L3キャッシュ96 MB(3D V-Cache)32 MB
TDP(熱設計電力)120 W105 W
ソケットAM5AM5
対応メモリDDR5-5200DDR5-5200
内蔵グラフィックスRadeon Graphics(2CU)Radeon Graphics(2CU)
発売日2023年4月6日2022年9月27日

この表で注目したいのは、L3キャッシュの差
Ryzen 7 7800X3Dは、7700Xの3倍にもあたる96MBのL3キャッシュを搭載しています。


そもそも「キャッシュ」とは?

キャッシュとは、CPUが必要とするデータを高速で一時保管するための小さなメモリのこと。
キャッシュには3つの階層があります

種類容量速度役割
L1数十KB超高速各コアがすぐ使う命令やデータ
L2数百KB~1MB高速L1の補助、同じく各コア専用
L3数MB〜96MB中速複数のコアで共有し大容量データを扱う

CPUキャッシュの役割やその重要性についての詳しい解説は、Digital Trendsの記事が参考になります。


ゲームにL3キャッシュが効く理由

ゲームでは、同じ情報(マップデータや物理演算、NPCの行動パターンなど)を繰り返し処理する場面が多くあります。
そのため、CPUがこれらの情報をすばやく処理できるかどうかが、フレームレートの安定性に大きく関わってきます。

L3キャッシュが大きいと、その繰り返しデータをより長く手元に置いておけるため、メモリアクセスの回数を減らし、遅延を最小限に抑えることができます。さらに詳しく知りたい場合はTechSpotの詳細な分析記事が参考になります。


実際どれくらい違うの?ゲームベンチマークで確認

実際に、同じ構成でCPUだけを変えて検証したベンチマークがあります。

ゲームタイトルRyzen 7 7700XRyzen 7 7800X3D向上率
Rainbow Six Siege200 FPS226 FPS+13%
Total War: Three Kingdoms150 FPS177 FPS+18%
Red Dead Redemption 2120 FPS148 FPS+23%
Horizon Zero Dawn110 FPS134 FPS+22%

詳細なベンチマーク結果や他のCPUとの比較については、Tom’s Hardwareのレビュー記事をご参照ください

L3キャッシュが大きくなっただけで、これだけフレームレートが向上しているのです。


まとめ:L3キャッシュは「CPUの知恵袋」

  • L3キャッシュが大きいと、CPUが情報を素早く使い回せる
  • ゲームのような繰り返し処理には特に効果的
  • Ryzen 7 7800X3Dの“ゲーム番長”ぶりは、クロックではなくL3の力だった!

これからCPUを選ぶとき、**「キャッシュ容量」**という観点もぜひチェックしてみてください。
ただの数字と思っていたものが、実はゲーム体験を変えるカギになるかもしれません。

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