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グラボの発火現象とは?

実際に遭遇したら頭真っ白になるで
最近、NVIDIAのRTX50シリーズや過去のハイエンドグラフィックカードで、電源ケーブルが異常発熱し、溶解、さらには発火するというトラブルが報告されています。
この「発火」とは、電源ケーブルやコネクタが過剰に熱を持ち、プラスチック部分が焦げたり燃えたりする現象のことを指します。発火が起こると、PCパーツの破損だけでなく、火災の危険性もあるため、適切な対策が不可欠です。
発火の前兆
発火する前には以下のような兆候が現れます。
- 異臭がする(焦げたようなにおい)
- ケーブルやコネクタ部分が異常に熱くなる
- GPUの電源が突然落ちる
- ゲームプレイ中にブラックスクリーンが頻発する
- コネクタ部分が溶けて変形してる
これらの症状が見られたら、すぐにPCの電源を切り、ケーブルの接続を確認しましょう。
グラボのケーブル発火報告の概要
過去に報告された発火事例
これまで、以下のようなグラフィックボードで発火事故が報告されています。
- RTX4090(2022年)
- 問題:12VHPWRコネクタの設計上の欠陥や接続不良により、コネクタ部分が異常過熱し、溶解・発火。
- メーカーの対応:NVIDIAは問題を認識し、新たな設計変更を加えたケーブルを提供。
- RTX5090(2025年)
- 問題:電源コネクタが高負荷時に発熱し、特定の条件下で溶解。発火リスクのある報告もあり。
- 原因:新しい高ワット数設計(600W超え)により、電流の集中が発生。
グラボの発火の原因
高ワット数化による負荷増加
近年のハイエンドGPUは、消費電力が大幅に増加しています。
例えば、RTX3090は約350W、RTX4090は最大450W、RTX5090では600W以上が必要とされています。この大電力化により、電源ケーブルにも高負荷がかかり、発熱しやすくなっています。
12VHPWRコネクタの設計問題
RTX4090以降で採用された12VHPWRコネクタは従来の8ピンコネクタと比べてコンパクトながら大容量電力を供給できるメリットがあります。
しかし、その一方で以下のような問題点が指摘されています。
- ケーブルの曲げすぎによる接触不良
- コネクタの差し込みが不完全だと、局所的に過熱
- 劣化による接点の抵抗増加
ケーブルの品質や接続不良
電源ケーブルの品質によっても発熱リスクは変わります。
特に、安価な非純正の変換アダプタ―などは特にリスクが高いため、使用は避けるべきです。また、以下のような状況ではコネクタが正しく接続されていない可能性があり、発熱の原因となります。
- コネクタをしっかり差し込んでいない
- 変換アダプタ―を使用している
- ケーブルを過度に折り曲げている
ケーブルの発熱とその影響
なぜ高電流でケーブルが発熱するのか?
電流が流れると、電線内部の抵抗によって熱が発生します。特に、大電流が流れる12VHPWRケーブルは熱の影響を受けやすく、ケーブルの温度が上がりすぎると、溶解や発火の危険があります。
- 細いケーブルほど発熱しやすい
- 接触不良があると抵抗が増えて局所的に高温に
- 高負荷時(4Kゲーミングなど)にはさらに熱が発生
ケーブルの発熱を抑えるには?
- ケーブルはできるだけ太く、短くする
- 純正品の電源ケーブルを使用する
- 可能であれば、直線的に配線し、過度な曲げを避ける
グラボの発火を防ぐための対策
コネクタの正しい接続
- しっかりと奥まで差し込む(浮いていると発熱リスクが高まる)
- 変換アダプタ―を避ける(純正の電源ケーブルを使う)
- ケーブルの折り曲げを最小限にする(90度以上の急角度はNG)
電源ユニット(PSU)の見直し
- 80PLUS GOLD以上の高品質な電源を使う
- RTX4090/5090なら1000W以上推奨
- マルチレーンよりシングルレーンの電源を選ぶ
高負荷時の温度管理
- PCケース内のエアフローを最適化
- GPU付近の排熱をスムーズにする
- 温度監視ツールを使用
- HWMonitorやGPU-ZでGPU温度と電源温度をチェック
とはいえ、ケーブルの温度は直接観測しないと基本的には分かりません。異臭などの兆候を見過ごさないようにしましょう。
まとめ
グラフィックボードの発火は、大電流化・コネクタ設計の問題・接続ミスが主な原因です。特に、12VHPWRコネクタの取り扱いには細心の注意を払う必要があります。
安全にRTX50シリーズを使うためのポイント
✅ケーブルをしっかり奥まで挿す
✅曲げすぎず、余裕を持った配線にする
✅高品質な電源ユニットを使用する
✅PCケースのエアフローを改善する
✅GPUや電源の温度を定期的にチェックする
RTX 50シリーズを快適に、安全に使うために、ぜひこれらの対策を試してみてください!
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