CPUの選び方:基礎知識と用途別おすすめ

CPUはPCの頭脳と呼ばれるほど重要なパーツです。この記事では初心者向けにCPUの基礎知識を解説し、用途別のおすすめCPUを紹介します。それによって、自分に最適なCPUを見つけるための知識が身に付きます。
Contents
- 1 なぜCPUが重要なのか?
- 2 (1)コア数スレッド数:〇コア〇スレッドとよく表記されます。
- 3 (2)クロック周波数:CPU本体に〇〇GHzと書かれています。
- 4 (3)(L2,L3)キャッシュメモリ:一般的なメモリとは違います。
- 5 (4)TDP(消費電力):電源ユニットの決定にも影響します。
- 6 (5)ソケット形状:世代、IntelかAMDかでちょいちょい変わります。
- 7 (6)CPUの名称から性能を読み取る:名称にも情報が詰まってます。
- 8 Intelの場合
- 9 AMDの場合
- 10 (1)自分の用途を明確にする
- 11 (2)予算とのバランスを考える
- 12 P(Performance)コア
- 13 E(Efficiency)コア
- 14 (1)エントリーレベル(5-10万円のPC向け)
- 15 (2)ミドルレンジ(10-20万円のPC向け)
- 16 (3)ハイエンド(20万円以上のPC向け)
- 17 次に読むべき記事
1.CPUとは?
CPU(中央処理装置)は、PC全体の処理をつかさどるパーツで、ソフトウェアから送られる指令を処理します。その性能は、PCの速度や処理能力に大きな影響を与えます。
なぜCPUが重要なのか?
- PC全体のパフォーマンスを左右する中核パーツ
- ゲームや動画編集など、用途に応じて求められる性能が異なるため適切な選択が重要
2.CPUの基礎知識
自分の作るPCのCPUを決めたいのでスペックを比較したいとなったとき、ネット上のサイトを見るとよくスペックが書かれています。例えば、価格.comでは次のようなものです。

価格.com Corei7 14700KFのスペック表から
何も知らないとなんのこっちゃといった感じですが、これらの値の優劣からCPUのスペック比較ができます。(とはいえ、これがすべてというわけではないのですが…)
ここでは、CPUについて理解するために必要な要素を簡単にまとめました。全部を丸暗記する必要はないので、それぞれがどう意味を持つのかをざっくりと把握しましょう。
(1)コア数スレッド数:〇コア〇スレッドとよく表記されます。
- コア数:CPUが同時に処理できるタスクの数。
- スレッド数:仮想的に処理できるタスクの数。マルチタスク処理に影響する。
例えば動画編集や3Dレンダリングでは多コアCPUが有利です。
(2)クロック周波数:CPU本体に〇〇GHzと書かれています。
- クロック周波数:CPUが1秒間に処理できる指令の数(GHz[ギガヘルツ]単位)。
- 単一コアの処理速度が重要なゲームでは、クロック周波数が高いCPUが有利。
(3)(L2,L3)キャッシュメモリ:一般的なメモリとは違います。
- CPUに内蔵された高速なメモリで、頻繁に使用するデータを一時的に保存する場所。
- このキャッシュメモリが大きいほど、データ処理が効率化します。
(4)TDP(消費電力):電源ユニットの決定にも影響します。
- TDP(Thermal Design Power):CPUが消費する電力の目安。
- 消費電力が高いほど冷却性能を求められます。必要に応じて高性能のクーラーを選びましょう。
(5)ソケット形状:世代、IntelかAMDかでちょいちょい変わります。
- CPUが取り付けられるマザーボードの規格のことです。
例えば:Intel—LGA1700、AMD—AM5など。 - マザーボードとCPUの互換性が重要です。パーツ選びの際にはちゃんと確認しましょう。
(6)CPUの名称から性能を読み取る:名称にも情報が詰まってます。
CPUの名称(例:Corei7-14700KFのようなもの)には、その性能や世代に関する情報が含まれています。この項目は必須ではないけれど、読めると便利なのでここでは簡単に紹介します。
Intelの場合
Intelの例:Intel Corei7-14700KF
- i7:グレード(i3 < i5 < i7 < i9)。
- 14:世代(第14世代)。
- 600:モデルナンバー(高いほど上位モデル)。
- K:オーバークロック可能。
- F:内臓GPU非搭載(映像をモニターに映す場合はGPUが必要です)。
- 無印(例:Corei7-14700):標準的な性能でオーバークロック非対応。
AMDの場合
AMDの例:Ryzen5 7600X
- Ryzen 5:グレード(Ryzen 3 < Ryzen 5 < Ryzen 7 < Ryzen 9)。
- 7:世代(Ryzen 7000シリーズ)。
- 600:モデルナンバー(高いほど上位モデル)。
- X:高性能モデル(クロック周波数が高めに設定され、オーバークロックに適している)。
- XT:Xの上位モデル。クロック周波数の上限がXより高い。
- 無印(例:Ryzen5 7600):TDPが少なめでバランス重視のコスパモデル。
- G(例:Ryzen 5 5600G):内臓GPUを搭載したモデルで、エントリーレベルや軽いゲームに適している。
- 3D(例:Ryzen 7 5800X3D):キャッシュ容量を大幅に増やしたモデル。ゲームに向いている。
ここで、オーバークロックが出てきたのでちょっとした紹介を次にまとめます。
オーバークロック(OC)とは?
OCは、CPUの動作クロック数をメーカーが定めた標準値以上に引き上げることで性能を向上させる方法です。
パフォーマンス向上させることでゲームやクリエイティブで高い処理能力を発揮させられます。
消費電力の増加が予想され、それに伴って電源ユニットと冷却性能両方を考慮する必要がある。場合によってはメーカーの保証が無効になることも。また、自分で設定する必要があるためちゃんとした知識が必要。
OCについてまとめ
- より高性能の必要があるゲームなどのユーザーに向いています。
- 自分で設定する必要もあるため初心者にはあまりお勧めできません。
- そういうものがある程度の知識で大丈夫です。
3.CPUを選ぶ際のポイント
(1)自分の用途を明確にする
CPU選びでも、まずは「PCで何をするか」を明確にしましょう。それにより、CPUを選ぶことができます。とはいえ、指標がないと難しいかと思います。なので、大体の目安としてどのくらいのスペックのものを選べばよいかを用途別にまとめました。
用途別の選び方目安
- ゲーミングPC:高クロック数重視。4コアー8コアが主流
- 動画編集・クリエイティブ用途:マルチコア重視。8コア-16コアがおすすめ。
- 一般用途(オフィス作業やネットサーフィン):エントリーレベルで十分。
(2)予算とのバランスを考える
スペックだけを考えるとハイスペックのものがいいに決まっています。ですが、ハイスペックのCPUを十分に生かすためには、CPU以外のパーツもどんどん高価なものになってしまいます。
なので、自分の用途に対して問題なく動かせるスペックのCPUを正しく選ぶことで予算を抑えることができます。
Intel製CPUのPコアとEコアについて
ここでは難しいことを省かせていただきますが、どういうものか知らなければ選ぶこともできないかと思いますので簡単に説明します。それでも面倒な場合は飛ばしていただいて大丈夫です。
P(Performance)コア
- 高性能なタスク処理を担当するため、ゲーム処理、動画編集などに向いてる。
- 高クロック周波数と大きなキャッシュを持っている。
- 消費電力は高め
E(Efficiency)コア
- 低消費電力で効率的なタスク処理を担当する。
- 小型でシンプルな設計のためたくさん載せられる。
- 複数のコアを生かせるソフトでEコアで作業を補完する。
初心者の方にはどういうものかちょっと想像がつきにくいかと思うので、用途別にどんなPコアEコアのCPUイメージをつけていただくと理解しやすいと思います。
用途別の選び方目安
- ゲーム用途:シングルスレッドの処理能力が必要なためPコア重視でよい。
↪例: Intel Core i5-13600K、i7-13700K - 動画編集やクリエイティブ用途:PコアEコアそれぞれ多いことが望ましい。
↪例: Intel Core i7-13700K、i9-13900K - 一般用途:Eコアを多く含むコスパ重視のものでよい。
↪例: Intel Core i5-13400
4.用途別おすすめCPU
(1)エントリーレベル(5-10万円のPC向け)
Intel Core i3シリーズ
- 例:Intel Corei3-13100
- 特徴:コストを抑えつつ基本性能を確保。
AMD Ryzen 3シリーズ
- AMD Ryzen 3 4100
- 特徴:マルチタスクにも対応した低コストCPU。
(2)ミドルレンジ(10-20万円のPC向け)
Intel Corei5/i7 シリーズ
- 例:Intel Corei5-13600K
- 特徴:ゲームや軽い動画編集に最適。
AMD Ryzen 5/Ryzen 7シリーズ
- 例:AMD Ryzen 5 7600X, Ryzen 7 7700X
- 特徴:コア数とクロック周波数のバランスが良い。
(3)ハイエンド(20万円以上のPC向け)
Intel Corei7/i9 シリーズ
- 例:Intel Core i7-13700K, Core i9-13900K
- 特徴:最新ゲームやプロ向け動画編集に対応。
AMD Ryzen 7/Ryzen 9シリーズ
- 例:AMD Ryzen 7 7700X, Ryzen 9 7900X
- 特徴:マルチコア性能が高く、長期間使える。
5.Intel vs AMD
ここまでIntelとAMDの違いも載せてきたのですが、ではどっちがいいのという疑問をお持ちになられたでしょう。それぞれの強みを簡単に載せますので参考にしてください。
- Intel:単一コア性能が高くゲームに強い。
- AMD:多コア性能に優れ、コストパフォーマンスが良い。
このような認識でひとまず大丈夫かと思います。AMDをゲーム用に選んでいけないというわけではありません。なので、結局は予算と目的を兼ね合わせて、対象をある程度絞っていただけたら、より安くしたいとか好みとかで決めていただけて問題ないです。
6.まとめ:自分に最適なCPUを見つけよう
CPU選びはPCの用途や予算によって異なります。本記事で紹介したポイントを参考に、自分に合ったCPUを選んでください。
次に読むべき記事
- マザーボードの選び方:マザーボードの基礎知識から選び方までを解説。
- 予算別PC構成例:具体的な構成例をさらに詳しく紹介。
自作PCの楽しさを体験する第一歩として、この記事が役立つことを願っています!