【いまさら聞けない】CPUの「世代」って何が変わるの?性能の進化と選び方をやさしく解説

CPU

はじめに:「CPUの世代」って聞くけど、実際どういう意味?

パソコンのスペック表やCPUレビューでよく見かける「第13世代」「Zen 4」などの表記。
名前は知っていても、それが具体的に何を意味し、何が変わるのかは意外と知られていません。

この記事では、CPUの「世代」とは何か?、そして**なぜ気にする必要があるのか?**を初心者にもわかりやすく解説していきます。


「CPUの世代」とは何を指しているのか?

結論から言えば、CPUの世代とは、新しいアーキテクチャ(設計思想)の節目のことを指します。

Intelでは「第○世代」とナンバリングで表現され、たとえば第13世代は「Raptor Lake」、第14世代は「Meteor Lake」に該当します。
一方、AMDでは「Zen」「Zen 2」「Zen 3」「Zen 4」など、設計ベースの呼称で展開されます。

世代が進むと、通常は以下のような変化があります:

  • 処理効率の向上(IPCの増加)
  • 消費電力の低減
  • 新しいメモリ規格や接続規格への対応
  • ソケットやチップセットの更新

つまり、**世代の違い=“内部の進化”**なのです。


世代が変わると、実際に何が変わる?

では、CPUの世代が上がると、どのような影響があるのでしょうか?具体的には次の4点です。

アーキテクチャの刷新

まずは設計そのものの進化。命令の処理順序や分岐予測、スケジューラーの効率が改善され、同じクロック数でもより多くの処理をこなせるようになります(=IPC向上)。

製造プロセスの微細化

例として、Intelは14nm → 10nm → Intel 7、AMDは7nm → 5nmと進化しています。これにより、省電力化と発熱低減が可能になります。

新規格への対応

DDR5メモリやPCIe 5.0のような最新の高速規格への対応も世代更新の重要ポイントです。これがネックになると、古いマザーボードとの互換性が切れることも。

ベンチマーク上の性能差

実際のゲームやソフトにおいて、旧世代と比べて最大20~30%程度の性能向上が見られることもあります。


Intel・AMDの世代をざっくり把握する

以下の一覧表に、Intel・AMDの主要な世代とコードネーム、登場年、主な特徴をまとめました。

メーカー 世代/名称 コードネーム 登場年 主な特徴
Intel 第8世代 Coffee Lake 2017 6コア主流化、LGA1151 v2
Intel 第10世代 Comet Lake 2020 10コアまで対応、DDR4
Intel 第12世代 Alder Lake 2021 Pコア+Eコア構成、DDR5対応開始
Intel 第13世代 Raptor Lake 2022 最大24コア、強化版Alder Lake
Intel 第14世代 Meteor Lake 2023 チップレット構成、AI支援機能追加
AMD Zen Summit Ridge 2017 Ryzen初代、AM4登場
AMD Zen 2 Matisse 2019 7nmプロセス、Ryzen 3000シリーズ
AMD Zen 3 Vermeer 2020 IPC向上、Ryzen 5000シリーズ
AMD Zen 4 Raphael 2022 AM5移行、DDR5/PCIe 5.0対応
AMD Zen 5 Granite Ridge 2024 AM5、DDR5/PCIe 5.0対応、16% IPC向上

このように見ると、おおむね1~2年で新世代が登場していることが分かります。

AMDの「Zen」アーキテクチャの詳細や各世代の進化については、以下の公式ページをご参照ください。
AMD「Zen」コア アーキテクチャ


世代選びで注意したいポイント

世代による性能差も重要ですが、互換性と構成の相性にも注意しましょう。

  • ✅ ソケット(LGA1700, AM4, AM5 など)が変わるとマザボ買い替え必須
  • ✅ DDR5対応CPUでも、マザボがDDR4対応の場合もある(Intelに多い)
  • ✅ 第1世代Ryzenと第3世代Ryzenでもメモリ対応範囲に差あり

自作や買い替えの際は、「対応表」をよく確認することが鉄則です。


まとめ:「世代」を知れば、選び方が変わる

CPUの世代とは、単なる数字の違いではなく、設計・性能・規格対応の“進化の履歴”です。

たとえば同じ「Ryzen 7」でも、第1世代と第4世代では性能や対応規格に大きな違いがあります。
だからこそ、用途に応じて「何世代が最適か」を判断することが、コスパの良いPC選びの第一歩なのです。

今後の動向について知りたい方はこういったものがあるので注視していくといいかもしれません。

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