後出しじゃんけんでAMDは有利になったか?—高価のNVIDIA vs 低価格のRadeon

GPU

年明けからずっと供給不足なGPUどうですか?

SAPHIRE製 Radeon RX 9070 XT

年明け以降市場に出回るGPUがずっと供給不足になっていた。2,3月に新モデルが出るからだろうか、既存のモデルも値上げ状態で本当に時期が悪い状態だった。その中に出てきたRTX 50シリーズは、値段が高めに設定されており、いつも通りの初期生産の不具合も発生した。そのため、比較的低価格で出てきたAMD製品に注目が集まっている。


GPU市場の「後出しじゃんけん」

近年のGPU市場では、NVIDIAが先行して新製品を投入し、その後AMDが対抗製品を発表するという流れが続いている。今回も例にもれず、AMDは初期発表では1月中に発売予定だったものを3月7日発売開始に延期した。

今回の新モデルでは、NVIDIAは高価格戦略を採用し、RTX 50シリーズをリリース。一方のAMDは、比較的手ごろな価格でRadeon RX 9000シリーズを投入し、価格を抑えつつ高性能な製品を提供することで、NVIDIAの隙を突く形となった。


RTX 50シリーズの戦略: 高価格&高スペック

NVIDIAのRTX 50シリーズは、特に上位モデルが高価格で販売されており、少し遅れて登場したRTX 5070Tiも約18万円という高価格での販売となった。また、スペック自体の向上は、確かに向上してはいたがかなり控えめという結果により、多くのユーザーは今すぐ買うべきではないという結論に至ってしまった。


RX 9000シリーズの戦略:コストパフォーマンスを重視

対するAMDは、いつもの後出し戦略を活かし、価格競争力のある製品を投入することで、NVIDIA高価格路線とは対照的なアプローチをとった。

  • Radeon RX 9070の価格は約12万円と抑えられている。
  • 上位モデルのRX 9070 XTも約14万円とRTX 5070Ti(約18万円)より安価

これにより、「RTX 5070Tiを買うより、RX 9070 XTの方がいいのでは?」という流れが生まれ、コストを重視するゲーマーにとってRadeonの選択肢が魅力的に映る状況になった。

特に、最新のRDNA 4アーキテクチャを採用するRX 9070は、消費電力の最適化も進んでおり、価格とパフォーマンスのバランスが優秀という評価を受けている。


GPU市場の売れ行き: AMDがシェアを拡大?

NVIDIAの高価格戦略に不満を持つユーザーがAMDに流れたことで、Radeon RX 9000シリーズの売れ行きが好調との報告もある。

  • 北米・欧州の一部販売店で、RX 9070、RX 9070XTが想定以上の売れ行きを記録
  • 日本国内でも「コスパ最強」としてRX 9070の話題が拡がっている


今後の展開: NVIDIAは価格調整をするのか?

過去にもAMDが価格競争を仕掛けた結果、NVIDIAが価格を引き下げた事例がある。今回のRTX 50シリーズとRadeon RX 9000シリーズの競争でも、今後NVIDIAが価格を見直す可能性がある。

  • RTX 5070 Tiの値下げがあるか?
  • RTX 5060シリーズの価格設定はどうなるか?
  • 今後のDLSSやレイトレーシング機能の進化で差をつけられるか?

NVIDIAは技術力では依然として強みを持つが、価格競争ではAMDが有利に立っているため、このままの価格設定が続けば、さらにAMDのシェアが拡大する可能性が高い。


結論: 後出しじゃんけんは成功したのか?

現時点(3/10時点)では、AMDの後出しじゃんけんは成功しているように見える。

  • NVIDIAの高価格戦略に不満を持つユーザーが、AMDへ流れている
  • Radeon RX 9000シリーズは、価格とパフォーマンスのバランスが良いと評価されている
  • NVIDIAが今後価格を調整しない限り、AMDが有利な状況が続く可能性がある

ただし、現時点ではNVIDIAが品薄状態であること、RTX 5060Tiの価格・性能次第ではひっくり返せる可能性はある。

今後は、NVIDIAの独占状態にどこまでAMDが浸透できるか、GPU市場の動向から目が離せない。

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